2009年5月14日木曜日


 医師、「こういう事はあるにはある」 

当時、1~2ヵ月毎に肝機能検査を受けていたが、その日から約1月後の検査結果でHb-s 抗原がー、抗体が+になっていた。

 担当医師は、「こういう事例も、あるにはありますが、それにしても年齢的には早いほうですね。」と説明し、「検査の誤差ということもあり得ますから念のためもう一度検査を。」と言った。

 翌週出た結果も同じだった。さらに念のためにと、翌年とその翌年に同じ検査を受けたが、結果は同じだった。 

B型肝炎ウィルスが完全に消滅したのだ。                           ( 診断書コピー 部分-参照)

2009年5月12日火曜日


身体が温まって来た

 視界を遮る濃霧の中で、方角だけを頼りにひたすら舟を漕ぐように、「い---ち」「にーーーい」とゆっくりと呼吸を続けて行くうちに、1時間以上は経っただろうか、
少しずつ身体が温まって来た。

そのうち、手先の感覚も感じ取れて来て、動かせるまでに成った。「数え呼吸」を初めて2時間ほどだったろうか、枕元の時計をみると7時少し前だった。 

起き上がれた。しかしまだ食欲はない。ちょうど「かげろう」のような、透明でかすかな新しい自分が、水を飲み、果物程度を軽く口にしだした。

 「死ななかった。」と思った。そのことの本当の意味はこれから分かるのだが。

まもなくすると、身体全体に深く重い疲労感が、しかし心地よく押し寄せて来た。全身が温まった自分は今度は安心して眠りに身をまかせた。

  「死んだように、泥のように眠る」とは此のことか、目が覚めたら夕方だった。

2009年5月10日日曜日


『かぞえ呼吸』

ところが、沈んでゆく自分の中で「そうだ、『かぞえ呼吸』だ」と声がしたようだった。

その声に続いて「足は第2の心臓だろう!」とも言っている。 

「足が凍傷になりそうな時は『足の指を動かし続ける』だったろう」などとも言っている。

頭の中で「1、2、3、4」と数えながら足の指を上下に動かそうとしてみた。動き出すのそんなに時間はかからなかったと思う。 頭の中で、「いーち」と言いながら息を吸い込んでみる。少し息が出来た。 「ふー」と吐く。 数を数えながら、次第に深く吸うようにする。足も指だけでなく足首全体を「バイバイ」する時のように上下させて、それに合わせてゆっくりと時間をかけながら吐き出して行く。

「い---ち」 「にーーーい」 息を吸う時に精一杯の力を込めてみる。 

そうこうしている内に、いつの間にか辺りが白んで来るにつれ、自分の中で「ここで死んだら意味が無いだろう」とか言っているようだ。