『かぞえ呼吸』
ところが、沈んでゆく自分の中で「そうだ、『かぞえ呼吸』だ」と声がしたようだった。
その声に続いて「足は第2の心臓だろう!」とも言っている。
「足が凍傷になりそうな時は『足の指を動かし続ける』だったろう」などとも言っている。
頭の中で「1、2、3、4」と数えながら足の指を上下に動かそうとしてみた。動き出すのそんなに時間はかからなかったと思う。 頭の中で、「いーち」と言いながら息を吸い込んでみる。少し息が出来た。 「ふー」と吐く。 数を数えながら、次第に深く吸うようにする。足も指だけでなく足首全体を「バイバイ」する時のように上下させて、それに合わせてゆっくりと時間をかけながら吐き出して行く。
「い---ち」 「にーーーい」 息を吸う時に精一杯の力を込めてみる。
そうこうしている内に、いつの間にか辺りが白んで来るにつれ、自分の中で「ここで死んだら意味が無いだろう」とか言っているようだ。
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